春のお彼岸

もうすぐ春のお彼岸がやってきます。暑さ寒さも彼岸までなどというように、その頃には寒さも和らいでいるでしょうか。まったく今年の冬の寒さには参ってしまいます。お寺の本堂って本当に寒いのですよ。空間が広いのでいくら暖房を焚いても温かくなりません。でもきっと3月21日、当山法徳寺で営まれる彼岸法要では、皆さんの熱心な気持ちで温かくなることでしょう。

さてお彼岸とは正しくは「彼岸会」といい、春分・秋分の日をはさんで前後1週間、先祖の供養をしたり、お墓参りをする行事です。インドにも中国にも見られない日本独自の風習ですが、「彼岸」という言葉自体は仏教用語です。それは向こう岸、すなわち仏の世界に至ることを意味し、そのために実践しなければならない修行をした期間とされています。しかしそれがなぜ、先祖供養のための日になり、特に春分・秋分の日を中日とした期間を定めて強調されるようになったのかについては、諸説ありますが、太陽が真西に沈む時期なので、西方極楽浄土にいる阿弥陀仏を、礼拝するのにふさわしいからといわれることが多いようです。

 実際のところは、季節の丁度変わり目に当たり、昔から農耕の一つの区切りとして祭りが行われていた時期と、仏教の思想が結びついて、現在のような年中行事として定着したのだろうといわれています。

 お彼岸は仏道修行の期間だと述べましたが、私たちの浄土真宗では煩悩にさえぎられて自分の力で修行して善を積むことは出来ないという教えです。阿弥陀さまのお念仏の、み教えによってのみ救われる私たちには、仏道修行が出来る立場ではないのです。ですからお彼岸は阿弥陀さまのお徳を讃え、み教えに遇う大切なご縁としていただきたいと思います。

多くの方はお彼岸にお墓参りをするだけでしょうが、各寺院で「彼岸法要」が営まれています。その法要に参加し日頃忙しいわが身を振り返り、仏の教えを聞くことをお薦めします。きっとお墓参りだけでは得られない何かを、教えられることでしょう。