永代経とは何か?

 

 来る51日に当法徳寺において、降誕会、永代経法要が営まれます。降誕会については詳しい説明は省きますが、要するに宗祖親鸞聖人の誕生日を祝う法要です。親鸞聖人は1173年 京都、日野の里にお生まれになりました。本願寺派の本山では新暦により521日法要が営まれます。

 さて永代経とは何か?恐らくどなたも明確には答えられないだろうと思います。決して「永代経」というお経があるわけではありません。折角ですから今回はっきりと明らかにしておきましょう。

 まず「永代経」とは「永代読経」の略で、菩提寺や本山などが、檀家や問信徒の依頼により、永代に(永久の世代)にわたって、故人の毎年の祥月命日や、毎月の命日に供養の読経を行うことです。実はこれは今回の永代経法要とは違う趣旨で、特にこのお経はお勤めしていません。しかしあえて当てはめるなら、法徳寺では毎朝、僧侶が朝のお勤めをしており、それがこの「永代経」にあたると思います。毎日お勤めするのですから、法徳寺ご縁各位の命日の読経、供養が出来ているわけです。

 さて今回の「永代経法要」は俗に「総永代経」といって、春秋の時期に一般の各寺院において年1回執り行われることが多い法要です。これは各寺院の檀家の故人、全ての方を永久的に継続して供養するという意志を総まとめにし、読経するものです。前出のように本来毎日のように称えるべき「永代経」を1年分総まとめにした法要といったところです。

 ところが、浄土真宗では、仏様のためにお経を捧げるとか、善き行為(お経)を故人のためにしてあげるという考えはご法度であるため、少し解釈を改めなければなりません。

それはまず僧侶が故人を永久に供養するという考えでなく、参列者の方々がそれぞれの亡き方に対し永久に感謝を忘れないということです。それは皆様が毎日修行(読経)に励まなければならないというのでなく、まず故人が残してくださった思い出や功績、教訓などを忘れず、また皆様自身が仏教の教えを疑いなく受けとめ、それらの心を永久に、つまり子々孫々に伝えていくということです。

また亡き方が生まれたお浄土は、「無量寿」(命の長さが計り知れない)の世界です。その極楽浄土に行かれ、永遠なる命を頂き仏様となった亡き方は「永代」にわたり、私たちを見守っていてくださることを思いますと、自然に感謝の気持ちでお念仏が出てくるのではないでしょうか。

つまり「永代経」とは、先祖から私そして子孫に至るまで、浄土真宗の教えを守り通していくという、参加者の堅い決意の現れの読経と言えるでしょう。

その「永代経」と「降誕会」を併修させていただくわけですから、いつもの2倍有難い法要となることでしょう。

 

参考文献 日本大百科全書 SONY 電子ブック版