お墓参りはいつするか

 3月になると春のお彼岸がやってきます。春秋のお彼岸とお盆だけは欠かさずお墓参りに行くと言う人も多いことでしょう。さて法事などでよく「お墓参りはいつ行ったらよいのでしょうか」と聞かれます。そこで今回はその疑問に答えたいと思います。

 私は、心に思いが起こったら、いつでも行くのがよいと思います。たとえ命日であろうとなかろうと、懐かしい思いがおこったり、苦しい胸の内を打ち明けたくなったり、嬉しいことを報告したかったら、いつでも行くのが良いと思います。例えば、受験の合格、結婚、入社など、人生の転機を迎えたら、ご先祖様に報告に行く事を勧めます。「これからの明るい生活を前にお墓参りなんて」などとは思わないで下さい。お墓は薄気味悪く縁起の悪いところではありません。この私の命を、遙か昔からの縁によって引き継いでくださった、大事なご先祖様の遺骨が安置されている(※)場所です。むしろ素晴らしい縁がある場所です。

また日を決めて、確実に欠かさずお参りするのも良いことです。正月から始めて毎月欠かさずお参りするなど、自分に決まりを課すのも良いでしょう。何年も何十年も一つのことをやり続けるのは、大変な労力でしょうが、必ずや薄らいでいく故人への記憶や、分かれの悲しみを、決して忘れないようにするためにも、素晴らしい行いだと思います。

最近霊園の関係者に聞いたのですが、ある有名霊能者が、テレビでタレントを診断する際に、「最近お墓参りに行ってないでしょう。だからあなたは運気が落ちているのです。すぐにお墓参りに行った方が良い」などと言った日の翌日、確実にお墓参りの人が増えたそうです。

噂やマスコミに、すぐに踊らされる人々が滑稽に見えるのは確かですが、問題はもっと深くにあると思います。つまりお墓参りが、自分の運を高めるためや、願い事を叶えるために行われている現実です。私がお墓参りを勧めるのは、事後の謝礼、自分の宗教心、先祖や亡き方への思いを満たすためであって、煩悩を満たすためではありません。運、霊、背後霊、心霊写真、お化け、占い、預言、これらは仏教とは全く関係がありません。もしそれらに興味があっても、お寺や仏教と結びつけないで下さい。ましてやご先祖様にその解決を祈願するなんて言語道断です。

仏教はその教えから、今生きている私たちが、人生をより充実したものとなるよう学ぶ教えです。ですからお墓参りする気持ちを更に進め、お手次のお寺で仏の教えに逢い、学ぶことが大事なのです。浄土真宗では学ぶことは、すなわち聞くことだと説いています。ですから法徳寺では、毎月2日には法話会を行っていますし、季節ごとに合同の法会を営んでいるのです。

実際にお墓参りに行ったとき、どのようにお参りしたらよいかは、平成17年8月のこの法話「お墓参りのマナー」をご覧下さい。

       浄土真宗では故人がお墓に眠っているとは説かず、私たちの想像を超えた世界「極楽浄土」へ旅立って行かれたと説くのでこのように書きました。

参考文献 仏教の疑問に答える 大法輪選書