愛鳥週間

日本では、5月10日から16日までを「愛鳥週間」と定めているそうです。このことは全く仏教とは関係ないのですが、浄土真宗の教典にはいくつか「鳥」が登場します。その一つがお通夜に読経されることの多い「仏説阿弥陀経」です。なぜお通夜に読むことが多いのかというと、この教典は故人の行かれる極楽浄土の様子を説明しているからです。          

ちょうど「鳥」の出てくる部分を現代語訳で抜粋します。

「極楽世界にはいつも白鵠(びゃっこう、鶴の一種)、孔雀(くじゃく)、鸚鵡(おうむ)、舎利(しゃり、人間の言葉を暗誦する)、迦陵頻伽(かりょうびんが、声がきわめて美しい)、共命鳥(ぐみょうちょう、頭を2つ有する鳥)などの色とりどりの美しい鳥がいる。このさまざまな鳥たちは、昼夜六時のそれぞれに優雅な声で鳴き、その鳴き声はそのまま五根五力(煩悩を押さえて悟りを開かせるはたらき)、七菩提分(悟りを開かせる七種の行法)、八聖道分(悟りに至るための八種の正しい行法)などの尊い教えを説き述べている。」

と大変難解な単語が並んでいるのですが、すべてを理解する必要はありません。でもあの世の情景が詳しく説明されている希な教典ですので、大変興味深いものです。以前「ニコニコ法話会」で数回にわたって説明したのですが、興味がある方は現代語訳の本をお譲りしますのでお寺でご注文ください。

 さてこの中に出てくる鳥の中でも、最も奇抜なのが「共命鳥」でしょう。この鳥は身体が一つでありながら、頭を二つ持つ珍鳥とされています。あるとき、片方の鳥の頭がとりわけ美しい声をしており、もう一頭が少し悪声なので、悪声の頭の方が美声の頭に嫉妬してしまいました。そしてこのもう一頭さえいなければ、自分は劣等感を持たずにすむと思い、彼の餌に毒を仕込んだのです。相棒の一頭は、そうとも知らずその餌を食べました。もちろん、この相棒は死んでしまいました。しかし、同時に食べさせた方の一頭も死んでしまいました。

この事件があって、他の共命鳥たちは反省し、相手を生かすことが自分を生かすことであると、悟ったのです。それ以降、共命鳥たちは互いに助け合って、極楽世界で美しい声で鳴いているといわれています。

 まさに現代社会に問いかけたい、いい話だと思いました。自分さえよければいいという自己中心的考え方を持つ人が多い中(私も含めて多かれ少なかれ誰でも持っているが)、周りの人たちに優しくすることが、自分の幸せにつながるといえるのではないでしょうか。  

私も檀家さんと接するとき、暗く不機嫌な顔をしていたら、相手にも不快感を与えるし気まずい雰囲気になると思っています。ですから最近は出来るだけ明るく、はつらつに振る舞うように心がけています。あ、でもお坊さんですから辛く悲しい場面がほとんどですので、その場の応じた態度が必要ですけど・・・。

参考文献 仏教とっておきの話 ひろさちや 新潮社