2009.1月の法話

”正信偈”

「帰命無量寿如来」で始まる「正信偈」は、僧侶、門徒を問わず、浄土真宗では最も親し
まれているお経と言えます。ただし正確には、親鸞聖人著述の「正信偈」をお経と呼ぶこと
はできません。なぜならお経(経典)とは、お釈迦さまが説かれた説法をまとめた御文のみ
を指す言葉だからです。しかし一般的に仏前でのお勤めで拝読する文章は、経典だろうと
聖典(経典以外の仏教書)だろうと、お経と呼んで差し支えないと思います。
 
この正信偈、親鸞聖人が書かれた「教行信証」という大変長い文章の中の、ほんの一部を
抜粋したもので、念仏を正しく信じることができた喜びを、歌の形式にしてつづったものです。

はじめに、無量のいのち、はかり知れぬ光の仏に帰命すると、自らの信心を表明し、その
信心はただ阿弥陀仏如来の本願の力によって恵まれたことを、明らかにしています。
ついで、この真実の教えを伝え継いできた七人の高僧の徳をたたえ、これらの高僧の教化
によって、如来の本願に会うことができた喜びを表して、最後に、ともにこの教えを信じて
いこうではないかと勧めておられます。


この正信偈は浄土真宗の教えの神髄が、簡潔にまとめて説かれていて、7言120行で
構成されています。普通に拝読して15分くらいですから、決して長いお経ではありませ
ん。また法徳寺での行事において読お経はほとんど正信偈ですから、僧侶のみならず門徒の
皆さんも拝読できるようにしていただきたいと思います。
なぜなら浄土真宗における読経とは、僧侶が仏を供養するために拝読するのではなく、
我々が阿弥陀さまの教えを信じる心を誓い、より深めるため。また仏の徳を讃え、仏の恩
に報いるために拝読するからです。
難しく聞こえるならば、往生なさった皆様の大事な人を思い浮かべてください。


「ご生前いろいろお世話になりました。仏さまになっても私たちを見守っていてくれてありがとう。」


「あなたが仏さまになったことは、疑いのないことです。私は仏さまの教えを受け止め、信
じていきます。」


とこんなふうに思いながら、読経してくだされば結構かと思います。

宗派としては正信偈に和讃六首をそえて(25分ほどかかる)朝夕にお勤めするのが望ま
しいとしていますが、この忙しい世の中ではなかなか難しいと思います。
ですから行事に備え時間に余裕のある日に正信偈を称え、普段は念仏、合掌、礼拝のみでも
かまわないと思います。

 法徳寺では正信偈のカセットテープや
CDも販売していますので、それを聞きながら練習
し、皆さん上手に拝読できるようにしていただくとよいと思います。


                               善林寺別院八千代聖苑主管 伊東 知幸