鯉のぼりと仏旗

つい先日、入学式や入社式のニュースをやっていたと思ったら、もうすっかりゴールデンウィーク真っ只中です。法徳寺では毎年ゴールデンウィーク中の法事の予約は大変少ないです。皆さん大型連休中は旅行や家族サービスが優先されるようです。

さて法徳寺では樫の大木があるため鯉のぼりを立てることはありませんが、隣近所のお宅では大きな鯉が悠々と風になびいています。5月5日の端午の節句に鯉のぼりを飾ることは、誰もが知っていますが、そのいわれとなるとご存じない方も多いかと思います。もともと鯉は、清流だけでなく池でも沼でも生きられる生命力の強い魚です。中国の故事によると「鯉は龍門の滝を登ると龍になる」という言い伝えがあり、それが「登竜門」という言葉の語源だそうです。そして男児の成長と出世を願い、鯉のぼりを飾るようになったそうです。

ではあの5色の吹き流しは何でしょう。それも古代中国の「五行説」に由来しています。万物は木、火、土、金、水の五つの要素で構成されているとの考え方で、木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒を表現しています。これらは神道の思想によるものだそうで、鯉のぼりメーカーによっては吹き流しには五色ではなく、鯉の滝登りを描くのがふさわしいと勧めているところもあります。

さて仏教にも似たようなものがあります。法徳寺の各合同法要で本堂の前を飾るあのド派手な五色幕と、向かって左にたなびく仏旗です。五色幕は仏旗をもとにしたものなので説明を省きますが、仏旗には重要な意味があります。

仏旗は6色(*使用しているのは5色ですが、それを6列で表すので)で表し、仏教を信じる者の旗印です。これは釈尊が2月15日の入涅槃の時に、放たれた光によるものだとされ、仏の光がすべての者を、正しく生かしてくださることを表すのだそうです。実際の配色は青、黄、赤、白、淡紅を縦に一列、そしてもう一列それぞれを小さく縦に配色します。写真は載せられないので、次回にお参りの際お寺でご覧になっていただきたいと思います。詳しい色の説明は、

青は仏さまの髪の毛の色で、心乱さず力強く生き抜く力「定根(じょうこん)」を表します。

黄は光り輝く仏さまの身体で、豊かな姿で確固たる揺るぎない性質「金剛」を表します。

赤は仏さまの情熱とほとばしる血液の色で、大いなる慈悲の心で人々を救済する働き「精進」を表します。

白は仏さまの説法される歯の色を表し、清純なお心で諸々の悪業や煩悩の苦しみを清める「清浄」を表します。

淡紅は仏さまの聖なる身体を包む袈裟の色で、あらゆる侮辱や迫害、誘惑などによく耐えて怒らぬ「忍辱」を表します。インド、タイ、ビルマのお坊さんがこの色の袈裟を身につけています。

私は仏旗や五色幕の意味を全く知らず、今までせっせと飾ってきました。全く情けないものです。どうぞ皆さんも仏旗の色の意味を理解して、5月2日の降誕会・永代経法要に参加してみてください。

 

参考文献 全日本仏教会ホームページ