仏式結婚式

 わたくし事ですが、先月21日をもちまして結婚10周年を迎えました。
これもひとえに支えてくださった家族親戚、また皆さま檀家さんのおかげだと思い感謝申し上げます。

私たちが10年前に行った結婚式は、一般的には大変珍しい仏式です。その会場は築地本願寺でして
僧侶は勿論、一般の信者の方も執り行えるプランが用意されており、それなりに?人気があります。

 式の次第は、厳粛な雅楽の鳴り響く中本堂に入場し、新郎新婦と参会者一同で合掌ののち、御本尊
の前で結婚の報告をし、導師より終生仏教徒として守るべきことについておさとしを受け、一同でお
経を称えます。最後に皆で念仏を称え雅楽の響く中退堂するといった内容です。

 普通ならお寺で行うとか、念仏を称えるとかなど考えもよらないでしょうが、自らが信じている宗
教の方式で結婚式を執り行うのは、ごく自然なことだと思いました。逆に縁もゆかりもないどこかの
神社やキリスト教の教会で、永久に変わらない愛を誓うということこそ違和感を覚えます。それなら
ば親類縁者が証人となり、新郎新婦が誓いをたてる「人前式」の方が道義に適っている気がします。

 まあ現代は自らが信じている宗教などないという方がほとんどでしょうから、宗教式で儀式を行っ
ているという概念がないのかもしれません。しかし自分の宗教は自覚していなくても、「家の宗教」
は定まっていることが多いはずです。
(最近では自分の家系が何宗なのか分からない方も多いようですが)

 ですからお嫁さんが違う宗派で、特に本家に嫁ぐような場合、入信式を兼ねた仏式結婚式にすると
親御さんたちは安心されることでしょう。信教の自由とは言うものの、お嫁さんが嫁いだ家の宗教に
改信することは必要になるはずです。そんな意味でも、ほとんどの日本人の家の宗教は仏教ですから
、「仏式結婚式」はもっと普及しても良いと思います。

 「お祝いの儀式で念仏を称えるなんて縁起でもない」なんておっしゃらないで下さい。「南無阿弥
陀仏」は死者を慰めるための言葉ではありません。「心から阿弥陀仏を信じます」という誓いの言葉
です。人生の節目に自ら信じる仏さまの前で誓いを立てる。その揺るぎない誓願は、新しい二人の門
出にふさわしい言葉に違いありません。

                                  善林寺八千代別院主管  伊東知幸