平成22年5月   降誕会・永代経法要


 当日の法話の一部です↓

  来年には、京都の西本願寺で親鸞聖人の750回忌が行われます。

 その法要を盛り上げる目的で、現在、日本橋の三越本店におきまして、親鸞展(5月10日まで)が開催されております。(現在、終了)

 さて、本日は、親鸞さまの誕生日をお祝いしましょうという法要です。まず、親鸞様が生まれた、時代背景を簡単にお話します。

 皆さん、歴史は得意ですか?

 源頼朝が、鎌倉に幕府を開いたのが、1192年です。親鸞さまは、その約20年程前1173年に京都で生まれました。

 時代は、平安時代の末期です。その時代とは貴族と武家との政権争いによる動乱期であり、さらに飢饉や疫病によって都には死者が

 あふれ、死臭が鼻をついたといいます。それはまさに恐れと不安に満ちた時代でありました。

 生きるも地獄、また、命終わっても、庶民は、極楽には行けないとされた時代だったのです。
 
 十数年前のお話ですが、京都の西本願寺で、毎年5月にお勤めされる降誕会の法要に参加したことがあります。

 
 なぜ、親鸞さまの誕生日を毎年お祝いするのかといいますと、親鸞さまは、過去の方ではなく、今、現在も生きていて、私を導いて下さって

 いる人だと頂いているからであります。皆様、お参りをされるときは、亡き方の命日がほとんどですよね。でも、亡き方の誕生日にお参りされ

 るというのもいいのではないでしょうか。そのときは、ご飯や果物ではなくて、ケーキをお供えされたらいかがですか(笑)。

 なぜ、誕生日のことを、降誕会と申すかといいますと、親鸞さまは、阿弥陀様の化身として、仏様の世界からこの娑婆の世界に降りてきてくだ

 さって、この世に誕生されたと考えているからです。今、こうして、皆様が、お寺にお参りしてくださっているのは、亡き方のお陰でありましょう。 
 そうしますと、皆様を、念仏の教えに導いてくださっている方として、亡き方をみていくことが出来ます。

 亡き方も、阿弥陀様の化身として、皆様の妻、夫、両親、子供という姿をとって、皆様を救うために、この世に誕生されたと頂くことが出来るの

 であります。

 私、最近、よくご葬儀で申し上げるのですが、皆様、「さようなら」ではなく、「いってらっしゃい!」と言ってあげてください。
 
 そうしたら、「行ってきます!」と言われると思います。「行ってきます」ということは、また、我が家に戻ってくるということです。

 ご仏壇に、「おかえりなさい」とお参りされたらいかがでしょうか。そうしたら、「ただいま」と声が聞こえてくると思います。

 生きていく中で、思いもかけないような、恐ろしいことが起こったとき、迷ったとき、是非、亡き方にご相談なさってください。

 皆様にとって、最適な道を選んでくださることでしょう、もしかしたら、その道が、回り道に感じることもあるかもしれませんが、

 「人生には、回り道も必要だよ」とアドバイスをしてくださると思います。

 皆さんの重たい、荷物を半分もってくれて気分を楽にしてくれると思います。

 供養とは、なき方に。喜んでももらうことをいいます。亡き方に喜んでいただくような生き方をしてください。

 亡き方は、私たちも、いつか、往かねばならない、浄土への道案内をしてくださいます。

 私たちも浄土へ生まれたときに、「私がんばって生きたよ!」と胸をはって報告してください。

 きっと、「がんばったね、がんばったね」と涙をながしほめてくださると思います。
 
                                                           (法話 法徳寺副住職 伊東英幸)