"考え方をかえてみる"

法徳寺副住職(肌が黒くてメガネをかけていない弟のほう)伊東 知幸  

肌を刺すような、木枯らしも何処へやら。日に日に寒さも

和らぎ、春めいてまいりました。。慣用句の三寒四温のと

おり、3日寒さが続くと、4日暖かな日がやってくるようで

す。この言葉、3月に用いる言葉だそうで、まさに今月の

法話の冒頭にぴったりです。さて今回は私の僧侶として

の活躍の場、日々勤める法要での話をしたいと思いま

す。私共のお寺は法要などを勤める僧侶が私と住職、そ

して私の兄との3人おりまして、日によって重なる法要を

その3人でこなしています。法要の時間が重なった時、活

力あふれる我々副住職が外回り、つまりは墓前での法要

に繰り出されます。墓前は本堂に比べて過酷でありま

す。30分は立ちっぱなし。なにより寒さ暑さは格別のも

のがあります。特に今年の冬は冬らしい冬。冷たい風だ

けならまだしも、雪にみまわれた事もありました。

私はいいのです。暑さ寒さを袈裟で耐えるのにはすっか

り慣れましたし。自慢じゃありませんが、アマチュアの自

転車選手ですしね。しかし後ろで立っている門徒さんは

いつ終わるとも知れないお経を聴きながら、寒風にじっと

耐えておられる。増してやお参りの方はお年を召されて

いる方が多いのでこちらとしても、早くお経を読まねばと

思いつつも、やはりどんな状況でも一字一字丁寧にお読

みしなければならない。そしてお経が終わっても布教心

溢れる僧侶として法話も欠かせない。そして法話をしよう

と墓前(阿弥陀様)を向いていた私は後ろを振り返る。

そこには凍えそうに立っておられるご門徒さんが何て今

日は寒いのだと言う顔で私を御覧になる。今回はこんな

状況で私がお話をする法話をいつもより詳しくお書きした

いと思います。

「今日は特別寒いかもしれません。そして大変辛い法要

になったかもしれません。しかしこの大事な法要を何年後

かに思い出す時、きっとどんな日だったかすぐに思い出

すことが出来るでしょう。辛い思い出もきっと故人とゆっく

り対話の出来た、いい思い出になるでしょう。また(一周

忌以降の方に対して)故人の命日は、法要の日に近いわ

けですから、あの往生なされた日もきっとこのような風が

吹いていたのではないでしょうか。皆さんお経を聞きなが

ら、きっと故人の生前のお姿やご命日の悲しかった思い

出を思い出していることでしょう。故人はお浄土へと帰っ

て行かれたその日から、私たちをいつも見ていてくださる

仏様になられたことであります。ご命日から仏様との対話

の日々が始まった方も多いことでしょう。そのような大事

な日を私たちに思い出させて下さったのは、カレンダーだ

けではなく、この季節を告げるこの寒風だったのではない

でしょうか。寒風は故人の命日を思い出させる素晴らしい

役目をしてくれたのかも知れません。寒い寒いと寒風を

憎んではいけないのではないのでしょうか。日々の生活

にも同じようなことって、多いのではないでしょうか。自分

にとって辛く悲しい事柄も考えようによっては、知らず知ら

ずのうちに自分にとって素晴らしい事柄に見えてくるかも

分かりません。

それはまた仏様が私に与えた試練であるかも知れませ

ん。どんなに辛い出来事も考え方をかえて、より力強く生

きていってくれよととの仏様のお喚び声かもわかりませ

ん。とまあこういったお話をもっと短くお話させていただい

ていることであります。その後簡単に阿弥陀様のお話を

させていただいております。

また、今月のニコニコ法話会は私が今回の内容から更に

話を進めたお話をしたいと思います。3月2日午後1時半

法徳寺本堂にて、ぜひご参加ください。

   伊東 知幸