浄 土 真 宗 の 教 え
浄土真宗の教えは、わたしたちがこの世の命終わるとき、
阿弥陀如来のおはたらきによって、
迷いの娑婆世界を離れ、悟りの世界、苦しみのない、清らかな阿弥陀如来の世界である
お浄土に生まれ、仏と成らせていただくというものです。
私たちは、亡き方が可哀そうだとか、不幸なように思いますが、
それは私たち生きている者の価値観です。
実際は、亡き方が不幸なのか、生きている者が不幸なのか、分からないのです。
仏教の究極的な救いは、私が浄土に生まれ、仏と成ることです。
仏とは、浄土に生まれ安らかに眠っている方ではなく、いつでも娑婆世界にお帰りになり、
私たちを護り、支えてくださる方です。
それは、仏から見ると、私たちは毎日殺生をし、煩悩によって欲望は多く、争いはつきず、
自分中心でしか物事を見れない、可哀そうな者たちだからです。
しかも、いつどこでどのような縁によって、命終わっていくか分からない、そして命終わった先には
生前の悪業によって地獄にしかいきようがない、私たちがいるからです。
その私たちに、「私がいつも見守っているよ、私が浄土に生まれさせる」と願い、
呼びかけて下さっているのが仏さまなのです。
その仏の呼び声が「南無阿弥陀仏」となって私に届いています。
そこで私たちは、毎日、お念仏・お経を称えさせて頂いているのです。
それは、故人の追善供養のためではなく、
私たちをお救い下さった阿弥陀さまにお礼をさせていただいているのです。
ですから、亡き方が一番喜ばれるのは、残された皆さまが
阿弥陀如来の救いに出遇い、浄土に生まれ、仏と成ることなのです。