「布施」とは何か

お布施といえば、一般には仏事のときにお坊さんに差し上げるお金のことを言

っているようです。お経料と思っている人も多いでしょう。

しかし布施とは、もともと「ほどこし」の意味で、自分の持ち物を惜しみなく他人

に与え、友に助け合い喜び合うことをいいます。僧侶が仏の道を説くことを法

施といい、在家(一般の方)の人が金銭や物品を差し上げるのを在施といいま

すが、ともに布施なのです。また、真心と愛情に満ちた態度で接するのも、乗

り物で席を譲ることも布施といい、必ずしもお金のことだけでなく、自分にでき

る「ほどこし」はみな布施だったわけです。

布施においては、三つのもの−施者の心・受者の心・施物―が清浄でなけれ

ばならぬとされています。それを「三輪清浄の布施」といいます。私があなたに

あげるんだぞ、といった気持ちが施者にあってはならず、受者もまた施しを受

けて義理を感じたり、卑屈になってはなりません。それに施物も清浄でなけれ

ばならず、自分に不用になったものを施しても、それは真の布施ではありませ

ん。

古く中国では上元(正月十五日)、中元(七月十五日)、下元(十月十五日)を

三元として祝ったが、現代の日本では盆行事と結びついて中元だけが残って

いる。そうですこの時期、皆さんが今年お世話になった人に贈り物をする、お

中元も布施なのです。

清浄なる気持ちがあれば何を贈ってもいいでしょう。しかしどうせなら贈る相手

が喜ぶものを・・。ますます何を贈るか迷ってしまいそうです。お寺としては仏

事において布施を受ける立場。気を引き締めて清浄なる心でいたいもので

す。

法徳寺 副住職 伊東知幸